2009年11月20日金曜日

コンテンツ文化史学会2009年大会へ向けて3:『ハックス』3巻が出ました。

要約すると、『ハックス』は面白い、です。

http://www.contentshistory.org/2009/11/20/592/

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「でも、これ投稿されているの観てみると・・・けっこう動きがカクカクしてるのも多いんですよね。でも、そういうのでも意外と観てて楽しいんですよ。誰かが一所懸命描いたものって。で、じゃあ、自分も本格的じゃなくても、そういうところから始めてみたらどうかなと思ったんですけど」
(今井哲也『ハックス』3巻、講談社、2009年、19ページ)

皆さん、世間はこれからラピュタを見て、ムスカ大佐をにやにやしながら眺めるのでしょう。こんにちは。いや、こんばんは。

さてアマチュア文化というテーマで大会を開きますが、アマチュア文化といっても非常に広い。思いつくものを挙げるだけでも、コミケットなどの即売会・とらのあななどの専門店で売っている同人誌や同人ゲーム、ニコニコ動画やYOUTUBEにあげられるMADや自主制作アニメだってアマチュア文化です。

それが商業ベースに乗るか乗らないかはまた次の話になります。もちろん、旧来からアマチュア文化が存在している文学や、メジャーデビューへのキャリアパスが存在する音楽(樺島榮一郎さんの論文に書いてありました!)、映画もまた多くのアマチュア文化が存在します。

では、ニコ動なんかと白樺派などの活動をどう捉えるのか?最近のウェブ空間の事象と昔の同人活動は直線的に捉えることができるのか?ジャンルが違うとどうなるのか?例えば、昔の大学や高校の漫画研究会やアニメ研究会と『ハックス』などで見られるようにニコ動(作中では二○動)というすぐに発表できる場のある現在では違うのか、本質は変わらないのか?そういった点を今度の大会「アマチュア文化とコンテンツの未来」で考えることができれば良いなと思います。もちろん、それ以外にも色々な論点が出てくるでしょう。

ですので、まず起床したらニコ動を観て、pixivのランキングを眺め、マサオさんの絵に10点をつけるといった生活を送っている方にも、ぜひ来ていただきたいです。

そのようなわけでバルス待機中の皆さん、よろしくお願いします。

ハックス! 3 (アフタヌーンKC)

天空の城ラピュタ [DVD]

3 件のコメント:

  1. どこがゲームに関連する記事なのかわからなかったのでゲームの文字を強調しておきました。
     補足すると、ゲームとアニメ・マンガは歴史的には別々の起源を持っており、一部重複する異なる文化的集団を形成してきました(いまでもアニメやムービーに関心のないゲーム愛好家は多いし、ゲームのコスプレしかしないコスプレイヤーも多い)。文化的集団も産業構造も異なるそれらの産業群をコンテンツ産業として扱うのは歴史的には最近の消費形態だと言えるでしょう。
     そしてコンテンツ文化史学会はその名前が示すように、それらの異なる産業を横断する視点に立っています。これはそれぞれの産業を曖昧に混同するのではなく、一見異なる産業が実は同じ構造を共有しているという、見えない構造を取り出す高度な作業によってのみ可能になると言えるでしょう。
    (アカデミック・ブログ世話人)

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  2. すみません。コメントに今気付きました。

    お手数をおかけして申し訳ありません。一般向けに書くという意識をもっているのですが、目配りをしつつ書くということの難しさを感じています。ご指摘の点は仰る通りです。大会自体では、その点も含めて議論が進んでいきました。

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  3. ちなみに想定している「一般」というのは学部1年生とか2年生あたりです。そのぐらいの方が少し興味を抱いてくれて、卒論を書く段階になったときに、より踏み込んでみようと思ってくれれば・・・。実際リアクションがあったわけではないので、何とも言えませんけど。

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