2011年11月20日日曜日

Googleによる中高生向けの開発参加支援 Google Code-in はじまる

Google Summer of Codeに続く新たな取り組み

オープンソースソフトウェアやフリーソフトウェアの開発に参加する学生を対象として,Google社が奨学金を出す夏のイベント「Summer of Code」については昨年の記事で紹介した(「オープンソースのゲーム開発とGoogleの奨学金」, 2010). メールやチャットでベテランの指導を受けながら,夏休みの間に自宅でソフトウェア開発に取り組むことで何十万円かの奨学金を獲得できるというこの試みは,世界各地の学生にインパクトを与えた.課題を出すプロジェクトの分野もさまざまで,OSからプログラミング言語,そしてゲームのマップ作成まで含まれる.今回はその拡大版とも言えるGoogle Code-in について紹介したい.


中高生を対象に

Summer of Code は専門学校生~大学生~大学院生を対象としていたが,Googleはさらに中高生を対象にした Google Code-in を昨年から開始した.これは Summer of Code と違って18歳以下を対象としており,しかも数ヶ月かけて完成させるような課題ではなく,ベテランの指導のもとに数日でできる課題をできるだけ多くやろうというコンテスト形式になっている.課題の範囲も広く
  • コードを書く,
  • ドキュメントを書く,
  • コミュニティのマネジメントやマーケティング,
  • テストや品質管理,問題解決についての研究,
  • ローカライズや翻訳,
  • ユーザインタフェースのデザイン
など,プログラマ以外でも着手できるものだ.

2010年の様子

以下は昨年にはじまったときの日本での反響.
で,実際に日本のオープンソースコミュニティからどのような課題が出たかというと,たとえば昨年のゲームではThe Battle for Wesnothの日本語訳といった課題がでていた.

2011年の動向

2011年の募集は週明け11月21日からで,先週のアナウンスに出たプロジェクトのリストからは,Hedgewars, PySoy Game Engine, Tux4Kidsなどゲーム関連の募集が多い印象を受ける.その他にも変わったところでは東日本大震災でも活躍した災害発生時の情報管理ソフトSahanaもある.
この記事を書いている11月20日時点ではまだ準備中の段階だが,すでに日本語の申込用紙は公開されている.中高生なので親の同意書も必要だ.(親に英語の手伝いを頼んでも問題ない.)
日本のゲーム業界はインターンシップ制度がようやくはじまったところで,マンツーマンで現役開発者の先輩がついてくれる会社もあるが,クレジットにインターンシップ学生の名前が載るところは国内ではまだ少ない.さらに拘束時間が長く,学生にとって大学への出席が困難になるところも多い.これに対してオープンソースソフトウェアには商用ソフトよりも質の高いものもあるが,いつでも誰でも参加できるために初心者向けの窓口を用意していないところも多かった.
このような状況で自宅から世界規模の本物のソフトウェア開発に貢献する若者に対して支援を行なうGoogleの試みは,オープンソース開発を推進するだけでなく多くの若者にチャンスを与えている.
国際開発に参加して,クレジットに自分の名前を加えたいという中高生諸君はぜひチェックして親に相談してもらいたい.

2 件のコメント:

  1. 登録できるようになりました.
    1. 公式案内はこちらです
    http://code.google.com/gci
    さきほど見たところ,日本語表示を選択してもまだ日本語の文章は表示されません.
    2. 上記サイトからリンクされている以下の公式サイトに移ります
    http://www.google-melange.com/gci/homepage/google/gci2011
    ここの「Register as Student」メニューから登録に進むことができます.
    英語が難しい,という生徒のみなさんは大人に手伝ってもらうとよいでしょう.

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  2. Googleから公式ビデオも出ました.
    http://google-opensource.blogspot.com/2011/11/and-were-off-google-code-in-contest.html

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