2020年1月30日木曜日

ゲーミング障害の政治とゲーム開発者ができること

アカデミックSIG主筆の山根です.
 本記事では,WHOでのゲーミング障害の扱いに対するゲーム学界の対応を説明し,ゲーム開発者が(パブリックコメント以外に)できることを考え,Global Game Jam瀬戸内会場in香川について説明します.
 さて香川といえば県の#ネット・ゲーム依存症対策条例が話題だが,その出しにつかわれたのが「ゲーム障害(ゲーミング障害)」という概念である.世界保健機構(WHO)のICD-11(追記: 「疾病及び関連保健問題の国際統計分類」(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems) 第11版)で,「ゲーミング障害(gaming disorder)」の分類が追加されることが決定され,有効になる前から政治的関心を集めている.本記事ではゲーミング障害に関するゲーム研究・ゲーム分野での議論をまとめてみたい.

ゲームと障害

これまでゲームと「障害」(discorder)についての学会報告といえば,「ゲームで障害を治療できるか」というゲームを積極的に応用する取り組みが主流だった.