2011年4月28日木曜日

PSN事件と今後の展望

事件の規模

すでに報道されているように,攻撃を受けてサービスを停止していたSony PlayStation Network(PSN)の全ユーザのデータが流出した可能性があると27日に発表された.全ユーザ7700万人分という規模の流出があったとすればアメリカで過去に起こった1億3000万件のカード番号盗難にせまる最大規模の被害となる.しかも今回はクレジットカード情報だけでなく全ユーザの氏名,住所,メールアドレス,誕生日,パスワード,ハンドルネームが含まれており(どのような形で暗号化されているかは不明),クレジットカード情報以上の利用価値がある.また「36カ国、22通貨、12言語」という全世界サーバ(日経ビジネス, 2010年3月2日)からの流出は前例がないもので,消費者保護先進国の政府機関も動きはじめたことで,個人情報保護の歴史の上でも大きな事件となる可能性が高い.

2011年4月19日火曜日

国際学会の開催動向: 2011年度プレビュー

ゲーム研究は多くの分野にまたがっているため,ゲーム研究開発に携わる者も複数の学会に所属する場合が多い.そして学会が開く国際会議には世界各地の専門家が集まり,最新の成果が発表されるとともに活発な交流が行われる.今年度はどのような国際会議がゲームに関する研究を募集しているのだろうか.

2011年4月16日土曜日

2010年度のゲーム研究を振り返る: つながるゲーム研究

2010年のゲーム研究を振り返ると,ボーダーレス化が進んだという個人的な印象がある.ゲーム研究は多くの分野にまたがるために研究の中心も分散している.このために自由度が高いとも言えるし,研究アジェンダを放棄して内輪受けに走っていると批判されることもある.しかし個人的な印象ではあるが、2010年はゲーム研究の分散だけでなく接続も促進された一年だった.たとえば普段は見向きもされないゲーム研究がある日注目され,研究者以外の広い層を巻き込んだ議論がネットで続く,という現象が見られた.