2009年9月20日日曜日

「大航海時代Online」の実験授業とは何だったのか

明日に東大で開かれる日本教育工学会の全国大会で,シリアスゲームジャパンの藤本徹氏による「大航海時代Online」の発表が予告されています.



「大航海時代Online」は東大グループが詫間電波高専でやった実験授業(筆者もかつて協力者として参加していた)が多くのメディアに報道されましたが,これまでに出版された論文は修士課程の院生による実践報告が1本,あとは卒論1本という残念な状態になっています.その一方で、査読出版物以外では成果報告が毎年出ているので、これは厳密な実証が困難な課題だったということを示しています.
東大グループとは別に実験を行った藤本氏も同様の感想を書いておられますが,さらに藤本氏は将来の再挑戦についても言及しており,研究の困難さと今後の展望がみえる発表になるのではないかと期待しています(しかし発表時間が短い...).

大会参加者によるTwitterのハッシュタグもできてますね.教育工学あなどりがたし.

3 件のコメント:

  1. 行ってきました。感想はのちほど。

    DiGRA本家のコラムを思い出しました。
    http://www.digra.org/hardcore/hc13/

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  2. 部外者のひがみ半分ですが,産学連携のときに何も考えず(どういう人材が居るか把握せずに)に東大に予算をつける民間側にも問題があると思います.

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  3. お、続きを書きあげる前にコメントが。
     えーと産学連携云々というのは別のプロジェクトの話ではないでしょうか。これとか:
    http://chi.iii.u-tokyo.ac.jp/?p=950#more-950
     一連の実験授業は(論文の謝辞によれば)、JSTや民間財団から研究予算を獲得しており、大学が特定の民間クライアントから研究を請け負ってはいないようです。これはとてもUniversity-Industry Research Relationships(UIRRs)とは言い難い。

     成果と研究予算の不整合について述べるのは難しいものがあります。そもそも大学教員やりながら予算配分に関わりつつ新領域の研究最前線がわかる人というのはきわめて少ないわけで、ハイテク分野では、欧米式に現役の博士研究者を専任のプログラムオフィサーとして雇う/出向させる機関もありますね。しかし今回の場合はそういう予算配分制度上の問題というよりも、そもそも論文として採択されにくいテーマだったというのが私の意見です。続きはのちほど。

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