2012年2月17日金曜日

GGJ12 アカデミックレビュー (前編)

世界同時多発ゲーム開発

先月に速報でお伝えしたとおり,IGDAが開催するGlobal Game Jam(GGJ12)が今年も1月末に開催された.週末の48時間で開発された無数のゲームが公開されている.
日本でも以下の各会場でゲーム開発が進められ,その様子が公開されている.
さらに2月から3月にかけて世界各地でプレイテストやデモパーティーが開催されており,Twitterで#GGJ12を検索すると世界各地の盛り上がりに触れることができる.
本記事では,こうした個別の作品について評価する前に,まず今回のGGJの特徴や急速に普及した背景について考えてみたい.

2012年1月29日日曜日

Global Game Jam 2012: 作品提出前の権利処理

誰もがダウンロードできるGlobal Game Jam作品

Global Game Jam はゲームをつくるだけのイベントではなく,自作のゲームを公開し共有する場でもある.
Global Game Jamの終了時には,すべてのプロジェクトはゲームをアップロードし共有しなければならない.(ただし,48時間を過ぎても開発を続けて,修正版を追加公開することもできる.)
それぞれのゲームはタグやアチーブメントごとに検索することもできる.たとえば,自分と同じタグをつけたゲームを検索してアプローチの違いを比較し作品をつうじて学びあうこともできる.
公式サイトにアップロードされた参加作品は,オンラインで全世界に公開される.誰もがそのゲームをダウンロードしてプレイできるし,参加者同士で点数をつけたりコメントをつけあうこともできる.そこで問題になるのが権利処理だ.

2012年1月28日土曜日

Global Game Jam 2012 開催中

国際NPOであるIGDAが主催する世界同時多発ゲーム開発イベント Global Game Jam が,1月27日(金)から29日(日)にかけて開催されている.

IGDAの日本支部であるわれわれIGDA日本でも,前回のGlobal Game Jam(GGJ11)の開催前に日本語情報を出してFAQや参加方法を日本語訳するとともに,日本語窓口を開いてきた.
今回も,10月に速報を出し,さらに参加者募集の日本語訳を出したところ,昨年以上の参加者が全国各地でチーム開発に参加している.

2012年1月10日火曜日

Global Game Jamの登場と注目を受ける背景

2011年に東京工科大学で開催された「GGJ東京」で、スタートに合わせて、新清士が、基調講演「国内外のゲーム産業と教育事例」をさせていただいています(USTREAMアーカイブ)。その講演要旨は文部科学省の報告書に収録されています。以下にその全文を転載しておきます。

なぜ、Global Game Jamが注目すべき重要なイベントなのか、どういう背景から登場することになったのかを紹介している内容です。なぜ、インディゲームはこの10年で台頭してくるようになったのか、GGJに近いコンセプトへと発展することになったカーネギーメロン大学のプロジェクトなどを紹介させていただいています。
長文ではありますが、ご参照いただければ幸いです。

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■文部科学省ポータルサイトの 東京工科大学グループ成果報告「平成22年度 産学連携による実践型人材育成事業−専門人材教育推進プログラム−」 報告書「ゲーム産業における実践的OJT/OFF-JT 体感型教育プログラム」より

4.2 国内外のゲーム産業と教育事例
− GGJ2011 東京サイト 基調講演主旨 −


IGDA 日本支部 新 清士

今回開催される Global Game Jam2011 に、日本から150名もの参加があるということは、今後世界のゲーム史を見てみても、極めて重要な出来事として記憶される可能性が高い。
というのも、今年はゲーム産業、ゲーム開発において、大きなパラダイム・シフトがまさに起きつつある時期だからである。パラダイムとは「世界をどのように見るか」、パラダイム・シフトとは「世界の見方、とらえ方が変わる」ということである。パラダイム・シフトが起きているときは、それに巻き込まれている人は、パラダイム・シフトが起きていること自体自覚することが極めて難しい。

ゲーム産業に関しては、パラダイム・シフトは常に、新たなコンソールマシンの開発と、そのハードウェアの特徴を活かしたゲームタイトルによってもたらされた、いわば「企業側からの提案」として起こってきた。このパラダイム・シフトに関与するには、企業側にいなければ関与することはできない。しかし、Global Game Jamは、自分さえ望めば誰でもこのパラダイム・シフトに関与できるという、これまでに無かったイベントである。

Global Game Jamの重要度は、現状のゲーム開発をとりまく様々な問題や危機意識を共有する、特に現場のクリエイターから認知が広がってきており、これはユーザの不満とも合致する。企業ではなく、ゲームに実際に触れる側に充満したムードが、一気にシンクロクロニシティをよび、一気に勢いづくタイミングなのである。

といっても、Global Game Jamで、コンソール機の開発が行われるわけではない。参加者はいつも手慣れたツールや開発環境を使い、主にPC上で動作するゲームを作る。出来上がったゲームは専用のwebサイトにアップロードし、ユーザがこれをダウンロードしてプレイするというイベントである。しかも、これが直接ビジネスになるわけではない。

にも関わらず、なぜこの世界同時多発イベントがこれだけ注目すべき存在なのだろうか。これを理解するには、ここ10年ほどのゲーム開発をめぐる動向を俯瞰する必要がある。

2011年11月20日日曜日

Googleによる中高生向けの開発参加支援 Google Code-in はじまる

Google Summer of Codeに続く新たな取り組み

オープンソースソフトウェアやフリーソフトウェアの開発に参加する学生を対象として,Google社が奨学金を出す夏のイベント「Summer of Code」については昨年の記事で紹介した(「オープンソースのゲーム開発とGoogleの奨学金」, 2010). メールやチャットでベテランの指導を受けながら,夏休みの間に自宅でソフトウェア開発に取り組むことで何十万円かの奨学金を獲得できるというこの試みは,世界各地の学生にインパクトを与えた.課題を出すプロジェクトの分野もさまざまで,OSからプログラミング言語,そしてゲームのマップ作成まで含まれる.今回はその拡大版とも言えるGoogle Code-in について紹介したい.

2011年11月11日金曜日

ゲーム教育の大学間競争 (下)

前回の記事では,北米の大学および大学院での高度なゲーム教育プログラムが増えていることを紹介した.今回の後編では,各地の大学の取り組みと日本からの参加について解説する.