あけましておめでとうございます.
2024年1月の「令和6年能登半島地震」で被災された方々にお見舞い申し上げます.北陸地域は個人ゲーム開発に縁がある地域で,国内でもいちはやくゲームジャムを開催した石川県のGlobal Game Jam 2010 JAIST(北陸先端科学技術大学院大学)会場や,富山県魚津市の「UOZUゲームジャム」「デジタルからくり装置作りワークショップ」,名物にちなんだ『カニノケンカ』eスポーツイベントで知られる富山県射水市の「ToyamaGamersDay」と,ゲーム関係者がいくつもの足跡を残しており,無事を祈っています.
本記事では,1月末のGlobal Game Jam2024を展望します.
2024年1月5日金曜日
Global Game Jam 2024 プレビュー: オフィスで,学校で,民家で,病院でゲーム開発
2020年12月22日火曜日
書評『ゲームエンジンアーキテクチャ 第3版』
幹事の山根がIGDA日本のウェブサイトに「書評『ゲームエンジンアーキテクチャ 第3版』: 待望の日本語訳がひらく次世代ゲーム開発」を掲載しました.ベテラン開発者が実務家教員として大学で教えることで作られた本書は,実務家教員の役割と意義がわかる一冊です.
2020年6月1日月曜日
パンデミック下の不安に応えるゲーム専門家
ブログ主筆の山根です.
前記事「GGJ20以後のゲームジャムシーン 」では,大きなゲームジャムがオンラインに移行することで国境を超えたチーム開発経験を積めるようになったことに注目しました.ゲームジャムはこれからも貴重な開発体験を積む場所になるでしょう.その一方で,ゲーム開発以外の人たちにとってパンデミックはどのような変化をもたらしたのでしょうか? 本記事では,ゲーム開発者以外の動向に注目し,パンデミックに伴う外出禁止がゲームにもたらした変化をまとめます.
2019年11月1日金曜日
ゲームデザイン大学教科書の到来 (付録: 『ゲームデザインバイブル』正誤表案)
アカデミック・ブログ主筆の山根です.
ジェシー・シェルによるThe Art of Game Designが今年の夏に『ゲームデザインバイブル 第2版』として、オライリージャパンから翻訳出版された.これはゲームデザインを学ぶ大学生のための教科書として執筆されて改版を重ね、現時点でのゲームデザインの最強の定番教科書である.これまで大学で使えるレベルのゲームデザイン教科書が入手困難だった日本のゲーム教育界にとって、本書の翻訳は江戸時代に『解体新書』が訳されたのと同様に、専門家だけでなく多くの人が新しい学問体系を知るきっかけになるだろう.本稿ではこの教科書(以下、本書)の紹介と今後の展望について述べ、末尾には付録として正誤表案を示す.
彼がディズニーでVRアトラクションやオンラインゲームに取り組み、そこで出会ったランディ・パウシュにスカウトされた経緯はカーネギーメロン大学のYouTube講義『最後の授業』でも言及されている(パイレーツ・オブ・カリビアンVRのゲームデザイナ, BVW科目の後継として).そしてNHKのドキュメンタリーにも登場した.
ジェシー・シェルによるThe Art of Game Designが今年の夏に『ゲームデザインバイブル 第2版』として、オライリージャパンから翻訳出版された.これはゲームデザインを学ぶ大学生のための教科書として執筆されて改版を重ね、現時点でのゲームデザインの最強の定番教科書である.これまで大学で使えるレベルのゲームデザイン教科書が入手困難だった日本のゲーム教育界にとって、本書の翻訳は江戸時代に『解体新書』が訳されたのと同様に、専門家だけでなく多くの人が新しい学問体系を知るきっかけになるだろう.本稿ではこの教科書(以下、本書)の紹介と今後の展望について述べ、末尾には付録として正誤表案を示す.
著者について
著者のジェシー・シェルは、数々の職を経験したあと、ゲーム産業とコラボレーションをする大学のパイオニアだったカーネギーメロン大学ETC(エンタテインメントテクノロジーセンター)に教育専門教員としてスカウトされ、全米トップの大学でゲームデザインを教えてきた.その他にも、過去にはIGDAチェアマンをつとめたり、自らのゲームスタジオSchell Gamesもたちあげて現在に至っている.彼がディズニーでVRアトラクションやオンラインゲームに取り組み、そこで出会ったランディ・パウシュにスカウトされた経緯はカーネギーメロン大学のYouTube講義『最後の授業』でも言及されている(パイレーツ・オブ・カリビアンVRのゲームデザイナ, BVW科目の後継として).そしてNHKのドキュメンタリーにも登場した.
2019年8月4日日曜日
2019年8月3日土曜日
DiGRA2019 in 京都 勝手にプレビュー(中編)
前編の記事では、2019年8月6日から京都で開催されるDiGRA2019国際会議について、本体のセッション以外のワークショップをプレビューした.本記事では、後編としてその後に発表された情報を日本でゲームに関わる方々にお届けする.
2019年2月18日月曜日
2019年プレビュー前編: ゲーム開発者教育とゲーム学の歩み
ゲーム開発者教育の20年
本記事はGDC19, FDG19から見える2019年のゲームのアカデミックシーンを展望する予定だったが、2019年に起こる試みの新しさを理解するには、まず背景となるゲーム開発者教育が大学そして大学院で高度化してきたこれまでの動向を知っておく必要がある.そこでまず前編として、これまでの過去のゲーム教育の歩みをふりかえってみたい.2016年2月6日土曜日
2015年アカデミックレビュー
毎年1月の Global Gaem Jam も終わり,ここで2015年をゲーム産学連携から振り返ってみたい.
学術出版と商業出版のボーダーレス化
2015年は国内でゲーム研究関係書籍の問題作が出版された変化の年だった.主な書籍をあげてみる。- 『妖怪ウォッチが10倍楽しくなる本: 妖怪ウォッチのゲーム・アニメ学』
ゲーム研究の成果を駆使した本がまさかの三才ブックスから出版された.よくある謎本かとおもったら、「イェスパー・ユールの理論に基づく考察」とか「日本でゲーム研究を専攻できる大学院・大学リスト」とか書いてあるギャップがすごい。情報源の記載も充実しており、これは2015年に国内で出たゲーム学・ゲーム研究書でもっとも丁寧に書かれている。
海外では、ゲーム研究書を出す学術出版社の競争が活発だ。たとえばMIT出版は,ゲーム研究書や教科書を単発で出すだけでなく、Platform Studies,Game Histories,Playful Thinkingというゲーム研究シリーズを並行して出しており、それぞれ来年までの刊行予定が組まれている.
これに対して,日本ではゲーム研究の出版を担ってきたのは学術出版社ではなく,ファンブックや雑誌の出版社だった.しかし「ゲームサイド」シリーズが休刊したように,ゲーム研究の成果出版はファンに買ってもらうだけでは支えきれなくなっている.この状況で商業出版のカジュアルなパッケージに学術的なアプローチを組み込んだ妖怪ウォッチ本が出たのは注目に値する. - 『中ヒットに導くゲームデザイン』
まず邦題がひどい.原題は「Game Design Workshop: A Playcentric Approach to Creating Innovative Games 」で、副題もふくめ書名に大胆な味付けが行われている.原著はもともと大学で使われているゲームデザインの教科書だ.翻訳されたのは教科書の新版で、旧版は世界ではじめてゲームジャムについて解説していた先進的な内容だった.新版はそうした先進性は減ったが定番教科書らしい手堅い内容になっている.
中心的な著者であるフラートンは,全米屈指のゲーム開発者教育者としてニュースでも報道される超人気教授だ。そして原著副題の「Playcentric Approach」とは、彼女らが国際学会で提唱したゲーム開発者教育のアプローチだ.これは学会を通じて世界各地の教育機関に影響を与えリスペクトされているので、なぜ翻訳しなかったのか理解に苦しむ.
先に述べたように,日本にはゲーム学の成果の出版は、専ら雑誌の出版社によって支えられてきた.しかしこの体制では、新書レベルならともかく大学教科書を訳すのは難しい.一学期かけて読むような体系的な書物なので、訳す側にも一学期かけて読者に教えるような労力が必要になる。しかし本翻訳では大学教科書をあえて翻訳者一人だけで訳し、学者のチェックなしに出版している。この試みは無謀ではないか.本教科書のアプローチはもともと国際学会で討議されたものなので、ゲーム開発者教育の先駆者をリスペクトしている研究者に相談すれば翻訳の質はかなり向上したはずだ.国内大学でも英語教科書でゲーム学を教えている教員もいるので,IGDA日本などに相談した方がいい. - イェスパー・ユール『しかめっ面にさせるゲームは成功する』、バーナード・スーツ『キリギリスの哲学』
人文系の学術書が翻訳されたのも2015年に起こった新たな動きだった.この2冊のうち、前者はやはり研究者抜きで翻訳するという無謀な出版だったが,かろうじて「類書のなかではかなりましなほう」という評価を得ている.
また後者は研究者による翻訳で,欧米のゲーム研究ではよく引用されている書物なのだが、日本語でも議論に使えるようになったのはありがたい。欧米のゲーム研究者は様々な分野の知見も駆使しているが、日本でもそうした分野越境のきっかけになるのではないか。ゲーム研究だけでなく文化面でも注目され、 新聞の書評にもとりあげられている.
2015年1月1日木曜日
2014年6月7日土曜日
夏休みのゲーム留学: ゲームのサマースクール
この10年あまりでゲーム教育が発達した北米では,ゲーム専攻のある高等教育機関の数は数百校にのぼる(業界団体ESAの最近の調査では,アメリカ国内だけでも381のゲーム専攻が存在する).
アメリカの特徴としては,ゲーム専攻にも多様性があり,2年制の短大から5年間の大学院博士課程,さらには現役の社会人向けの短期間の集中講座まで多くの選択肢が存在する.
今回は,この中でも夏休み中に大学で行われるサマースクールについて紹介する.
アメリカの特徴としては,ゲーム専攻にも多様性があり,2年制の短大から5年間の大学院博士課程,さらには現役の社会人向けの短期間の集中講座まで多くの選択肢が存在する.
今回は,この中でも夏休み中に大学で行われるサマースクールについて紹介する.
2013年11月25日月曜日
国際学会 FDG2013 参加報告 (下)
国際会議FDG2013参加報告の後編です.前回からずいぶん時間があいてしまいました.
都会から遠く離れた会場で,発表数を厳選してあえて小規模で開催されるこの国際会議について,その歴史,講演,ワークショップなどを紹介してきました.今回はしめくくりとしてデモセッションと博士コンソーシアムなどについて報告します.
2013年6月23日日曜日
国際学会 FDG2013 参加報告 (上)
この5月にゲーム研究の国際会議のひとつである「Foundation of Digital Games」(以下,FDG)に参加してきた.ゲーム産学連携の上で大きな役割を果たしてた同会議の歴史をひもときながら,ゲーム研究の国際会議について紹介したい.
はじめに: 国際会議の目的
学校ごとにそれぞれ異なる目標があるように,学会にはそれぞれ独自の目標があり,ひとつの学会ですべての目標を実現することはできない.たとえば巨大な会議場に数千人・数万人規模の参加者を集める巨大な大会もあれば,100人程度が一つの建物で議論する会議もある.投稿された論文を出版することで成功したと言える学会もあれば,論文にまとまる前の現在進行中の最新動向を集めることを目指す学会もある.産学連携に熱心な学会もあれば、あえて産業化に向かわない学会もある。 今回報告するFDGは,デジタルゲームにおける産学の連携をテーマにしてはじまったという点でユニークな国際会議である.2012年11月25日日曜日
海外学術誌の日本のゲーム特集と国際ワークショップ
海外の学術誌が日本のゲームについての論文を募集しているので紹介します.
CEDEC2010キーノートスピーカーである石井裕は雑誌記事で「日本で大変素晴らしい研究をして、日本国内の学会に日本語で報告したとしよう。しかしそれだけでは、日本以外の「世界」から見るとその研究は存在していないに等しい。世界にインパクトを与えるチャンスもない。」と書いています.これはゲーム研究の場合でも同様で,たとえば学術論文を検索するGoogle Scholarで世界の人が日本のゲームを調べようとすると,英語圏のゲームに比べて件数が少ないし短い文英語献ばかりヒットする.つまり,日本のゲームは国境を越えてきましたが,日本のゲームについての学術的な評価や研究は国境を越えていないのが現状です.そこで,世界の誰にでも見つけやすいところで日本のゲーム研究を発信することが研究者に求められますが,日本のゲームについての研究情報を世界に発信する場所はまだ存在しません.
今回,日本のゲームについて研究論文を募集しているのはカナダのケベック州モントリオール周辺を拠点とするKinephanosというオンライン論文誌 (ISSN 1916-985X)の特集号で,英語またはフランス語で書かれた論文をオンラインで出版しています.
ケベックは州政府によるゲーム産業の誘致政策が有名ですが,それ以前から映画研究をはじめとする文化研究の拠点があり,たとえば2008年のホラーゲーム研究の国際会議(2009年に論集出版)はゲーム研究者の層の厚さを示すものとして日本でも話題になりました.
以下に,投稿募集の非公式日本語訳を掲載します.(最新情報は公式サイトで確認できます.) 日本のゲームに関する学術情報がほとんどないという現状を変えようという意欲が伝わってきます.なお,この日本ゲーム特集号の編集委員をつとめるMartin PicardとJérémie Pelletier-Gagnonの両博士は現在日本に長期滞在中で,来月12月7日夜に都内にて国際ワークショップ「Thinking Video Games in Japan: Towards Collaboration in Game Research」(「日本でビデオゲームを考える: ゲーム研究のコラボレーションに向けて」)にて発表する予定です.国際的なゲーム研究シーンに関心のある方はぜひご参加ください,(ワークショップには本SIGからも筆者が発表参加する予定です).
CEDEC2010キーノートスピーカーである石井裕は雑誌記事で「日本で大変素晴らしい研究をして、日本国内の学会に日本語で報告したとしよう。しかしそれだけでは、日本以外の「世界」から見るとその研究は存在していないに等しい。世界にインパクトを与えるチャンスもない。」と書いています.これはゲーム研究の場合でも同様で,たとえば学術論文を検索するGoogle Scholarで世界の人が日本のゲームを調べようとすると,英語圏のゲームに比べて件数が少ないし短い文英語献ばかりヒットする.つまり,日本のゲームは国境を越えてきましたが,日本のゲームについての学術的な評価や研究は国境を越えていないのが現状です.そこで,世界の誰にでも見つけやすいところで日本のゲーム研究を発信することが研究者に求められますが,日本のゲームについての研究情報を世界に発信する場所はまだ存在しません.
今回,日本のゲームについて研究論文を募集しているのはカナダのケベック州モントリオール周辺を拠点とするKinephanosというオンライン論文誌 (ISSN 1916-985X)の特集号で,英語またはフランス語で書かれた論文をオンラインで出版しています.
ケベックは州政府によるゲーム産業の誘致政策が有名ですが,それ以前から映画研究をはじめとする文化研究の拠点があり,たとえば2008年のホラーゲーム研究の国際会議(2009年に論集出版)はゲーム研究者の層の厚さを示すものとして日本でも話題になりました.
以下に,投稿募集の非公式日本語訳を掲載します.(最新情報は公式サイトで確認できます.) 日本のゲームに関する学術情報がほとんどないという現状を変えようという意欲が伝わってきます.なお,この日本ゲーム特集号の編集委員をつとめるMartin PicardとJérémie Pelletier-Gagnonの両博士は現在日本に長期滞在中で,来月12月7日夜に都内にて国際ワークショップ「Thinking Video Games in Japan: Towards Collaboration in Game Research」(「日本でビデオゲームを考える: ゲーム研究のコラボレーションに向けて」)にて発表する予定です.国際的なゲーム研究シーンに関心のある方はぜひご参加ください,(ワークショップには本SIGからも筆者が発表参加する予定です).
2012年7月3日火曜日
国のゲーム関連研究予算の新たな展開
研究スポンサーとしての科研費
科学研究費助成事業(通称「科研費」)は,研究者に対して国が(正確には文部科学省及び日本学術振興会が)研究資金を配分する仕組みである.簡単に言えば,日本の研究予算の巨大スポンサーだ.これまで日本の研究予算ではゲームに関する研究予算枠は皆無だったのだが,今年の科研費改正によって日本のゲーム研究予算に変化がもたらされる可能性がある.この変化について考えてみたい.
2012年1月28日土曜日
Global Game Jam 2012 開催中
国際NPOであるIGDAが主催する世界同時多発ゲーム開発イベント Global Game Jam が,1月27日(金)から29日(日)にかけて開催されている.
IGDAの日本支部であるわれわれIGDA日本でも,前回のGlobal Game Jam(GGJ11)の開催前に日本語情報を出してFAQや参加方法を日本語訳するとともに,日本語窓口を開いてきた.
今回も,10月に速報を出し,さらに参加者募集の日本語訳を出したところ,昨年以上の参加者が全国各地でチーム開発に参加している.
IGDAの日本支部であるわれわれIGDA日本でも,前回のGlobal Game Jam(GGJ11)の開催前に日本語情報を出してFAQや参加方法を日本語訳するとともに,日本語窓口を開いてきた.
今回も,10月に速報を出し,さらに参加者募集の日本語訳を出したところ,昨年以上の参加者が全国各地でチーム開発に参加している.
2011年10月10日月曜日
ゲーム教育の大学間競争 (上)
本ブログではこれまで「ゲーム研究の教科書」(2009年9月)「大学のゲーム講義をダウンロード 」(2010年1月)をはじめとする国内外の大学でのゲーム教育を紹介してきた.
日本国内でも,東京工科大,東京工芸大,神奈川工科大,大阪電気通信大,立命館大学などが単発の講義にとどまらない体系的な教育に着手しているし,多くの専門学校が4年制のカリキュラムを設置して高度な教育に取り組んでいる.しかし,どの学校がどれだけすぐれた教育を行なっているのかは分からない.世界各地の大学でどれだけのゲーム専攻が新設され,世界の学生はどのようにして進学先を選んでいるのだろうか.
日本国内でも,東京工科大,東京工芸大,神奈川工科大,大阪電気通信大,立命館大学などが単発の講義にとどまらない体系的な教育に着手しているし,多くの専門学校が4年制のカリキュラムを設置して高度な教育に取り組んでいる.しかし,どの学校がどれだけすぐれた教育を行なっているのかは分からない.世界各地の大学でどれだけのゲーム専攻が新設され,世界の学生はどのようにして進学先を選んでいるのだろうか.
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